ていうか、僕は成田亨の弟子を騙る悪質ストーカーなんだが!

 

「成田亨と鬼」展、11月28日まで開催中です。

 日本の鬼の交流博物館・公式サイト や各ニュースサイトでも報じられてますが、「成田亨と鬼」展が開催されてます。

 大江山鬼モニュメント(自分もメインスタッフだった)の製作資料なども展示されるみたいなので、当時の成田氏の鬼研究や京都府福知山市大江町まで見に行ける人はどうぞ。まぁ成田氏のそっち方面のアートワークに興味のある人は余程のマニアだと思うんだけど・・・(※ 言っとくけど僕は都内日野市南平のプレハブ内作業(骨組・粘土・石膏型・FRP)のメインスタッフ(都内作業では最大日数手伝い)だったので、日野からの搬出日の写真くらいしかボクを撮った写真は無いはずなので。京都の作業はしていないので

 ちなみに、ここで今回開催について早く書かなかったのは、正直今「鬼滅ブーム」で、「鬼といえば滅ぼせ」みたいなそういう方向に頭がイっちゃってる連中が多いので、鬼推しな事を書くのはややこしいかなと思ったのであった。いや確かに悪い鬼は悪いんだけど。でも「鬼神」という言葉もあるし「鬼才」という言葉もあるし、「仕事の鬼」という言葉もあるし。「泣いた赤鬼」という童話もあるし(子供の頃高岡の小学校の音楽劇で赤鬼役をやった事がある)、そもそも「鬼子」という言葉があって、鉄腕アトムも鬼の子っぽいところがあったり。

 どちらかというとボクは基教モチーフとか思考がそっち寄りなんだけど、でも日本社会の中で迫害された存在が鬼と言われるようになった・・・というのは、例えば大戦当時にアメリカ兵が「鬼畜米兵」なんて日本全土で敵視されて憎しみの対象にされていた事からみても、日本って国は変わらないんだよな、と思ったりもするわけで。鬼に対してもキリスト教(その概念)に対しても一緒でしょ。・・・まぁもちろん悪い鬼もいるよね、世の中には。実感として言うけど。

 でも悪鬼ってのは本当にそういう奴がニュースで出た時とか、もしくは各自自分自身の心の中に悪鬼が住んでいないかとか気にしていればいいんじゃないかなとも思う。

 まぁ簡単に言えば永遠に生きようが生きられなかろうが善は善だし悪は悪じゃないのかな、別に永遠に生きられない側にとっては、どう生きるか?ってのしか無いのだろうし。

 

 まぁ成田氏はある意味「仕事の鬼」だったので、そういう方向性から「鬼」というモチーフに共感したのかなと思う。もしくはウルトラ怪獣から和のモチーフに立ち戻った時、抽象的空想から具象方向に立ち戻った時に、必然的にそうなったのかもしれない。

 初代ウルトラマン初稿の、彫刻ミニフィギュアをボクも趣味で作ったりしたけれど(コレ)、そもそも最初のデザインが「鬼」的なんだよね。

 

 ・・・でも、鬼彫刻の作業中はテンションあげるためかみんなで奥さん(流里先生)の持ってきたお弁当やお酒を飲みながら、先生は「鬼の飯場じゃのお!!!!!」なんて言いながら、笑いながら作業していた事も思いだしますね。先生は気持ちから入って原型作ってたんだよね、やっぱり。(あの昼間から日本酒飲んでたせいで太ったんだよボクは・・・(と責任を鬼のように先生になする(笑)))

 

 というか某ニュースサイトで「成田亨氏がデザインして制作」と書かれてたけど、たとえば酒吞童子など、先生は造型上普通に先生が作るべき所や要点や(顔とか手足や胸から胴体部筋肉、足の付け根からもも、腰の全面の衣の帯など)とか)難所はほぼ先生がやっていたので(ただ腕足の筋肉部分は成田氏メインでもタケカサ氏が手伝い、頭髪はイイダ氏、自分は衣全体のチーフで、ていうか実際一番通う日数が多かったのでボクは石膏とFRPなど、かなりほぼ仕切る事になってしまってたのだが)。(※くどいけど星熊と茨木は美術教室生徒はノータッチです。台座部分は京都でイイダ氏とタケカサ氏が手伝っている。ボクは家庭の事情(身内の病気など)で京都に行けなかったので、日野市内では最大日数手伝っていた)

 なんかニュースサイトで「成田亨氏がデザイン・制作」って書かれてるけど、やっぱり漢字で書くなら、成田氏は「製作」の作業が一番大変だったと思うんだよね。先生にとっても結果的に最大の人体彫刻だったので。

 

 (※ 先生は、酒吞などは通常の人体と筋肉など(骨格も?)を変えていると言っていた。今回展示の鬼の一群も、先生のデザインのキャラクター(古来の面などからデザインをやりなおしたような)なのだろうなと思う。「抽象を通過した上での具象ですから」というのはよく言っていた。先生としては美大の恩師から教わった西洋彫刻の流れも、運慶快慶などから来るような流れも、両方入れたかったのかな、などと思います。)

 (※ で、追記すると、別に酒呑童子たち鬼が絶対に正しいとか成田氏が言いたいわけではなく、これはそもそもいわゆる当時のふるさと創世1億円の一部の使い方として今でいう町おこしとして彫刻モニュメント制作製作の依頼がされた、って事で、そこから作られたものなんだけど・・・それでもつまり、京の都で家系系既得権益をむさぼる公家やそれにへつらって国民に圧政を強いる者ども、に対する、それにまつろわない差別迫害を受けつつ実力主義で自由で、しかし暴力的という欠点も持つものたち、という構図は出てるわけなんですよね。そりゃ京の都が絶対に正しいか、鬼たちが絶対に正しいかといえば、どちらにも正義はあってどちらにも間違ってるわけだし。

   そもそもボク(とか生前の成田氏)の住んでる八王子・日野や多摩地区って、戦国時代は北条氏の領地で、あの「愛」の字を兜の立物につけた直江兼続の武士たちに虐殺で滅ぼされてるんですよね。それまではとても良い領地だったのが、女や少女は彼らの部下に強姦され、領地の女も子供もみんな滝つぼに身を投げた。ボクの住んでいる地域は戦国時代にはそういう文字通りの虐殺という悲劇があったわけで、それはつまり上杉謙信とか直江兼続とかの、いわゆる毘沙門天信仰や愛を語っている連中の軍勢に、実(じつ)としての平和な村々を滅ぼされているわけだから。でもNHKの大河ドラマとか歴史というのは、所詮は勝ち組史観から離れる事ができない愚かしさなわけで。・・・つまりあの鬼モニュメントは、そういうのに対して怒る視点でもあるんだよね。

   で、いわゆる最近の歴女たちとか、放送されるたんびに右左にウロウロしてるよね(ナンダカナー(笑))

   まぁ日野とか新撰組の里でもあるけれど、でも新撰組だって江戸時代の古い侍社会におもねってしまったわけなので、結局は古い時代を肯定してしまったから(例えばキリスト教差別社会であるとか)、滅びざるを得なくなった。正しい所もあるけど、間違いもあるでしょ。でもやっぱり新撰組は最近の日本ではウケている。

   そういう、視点によって全く違うような事は、歴史では普通なんですよね。鬼がかならずしも正しいとは限らない。大河ドラマの史観が必ずしも正しいわけがない。今の大河ドラマも結局は武家だの徳川だのが日本経済を作ったという主張でマウントを取りたいかのような大河ドラマになっちゃってるから、まぁ駄目といえば駄目なんだが・・・ウチの母ははまってるんだよねぇ(^^);

 

 ・・・で、ボクの考え方としては武家だの軍人だのの家系を上におきたがる日本ってのはろくでもない国だな、ろくな事が昔からない国なんだな、って考えは昔から変わらないです。要は過去の伝説上の存在だから、キャラクターとして自由に描けるってのでは・・・戦国時代の各武将や大河ドラマのキャラと変わらないんですよね、鬼も。 11/15 12:20 )

 

 (※補記: 上に書いた、八王子市や日野市・・・先生によると日野より西は東京じゃないそうなのですが(ムキー ;▽;)・・・その周辺が元北条氏の領地で、大虐殺があった、という事は、当時、鬼の作業を二人でしている時に先生から直接聞いた事で(日野では最多手伝いなので割と2人きりの作業も多かった)。先生と自分が二人で作業している時に聞いた事なので、他の生徒に言ってたかどうかはわかりません。

  直江兼続が兜に愛の立物云々までは言ってなかったですが(当然日本の戦国史系も描いていたので知っていたとは思いますが)、そういういわば、多摩地区地元のような、時の趨勢に虐殺された側とか負けた側の史観、というものを先生が鬼を作る時意識していたのは確かだと思われます。 11/17 20:43))

 

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