ていうか、エリザベス女王が死んで嬉しいんだが!

 

愛のヴィクトリアン・ジュエリー展

先週の日曜日、八王子市夢美術館で公開中だった、

「愛のヴィクトリアン・ジュエリー展」が最終日だったので行って来ました!!

 

 

 2010年頃のBUNKAMURAザミュージアムで初回スタート、定期的に開催されている展覧会で都内的には凱旋公開みたいな感じです。

 19世紀ヴィクトリア女王時代の英国王室系ジュエリーアクセサリー群を一堂に展示した展覧会でした。

 なんていうか自分的に、アクセサリーの彫刻というか金細工類を久しぶりに見たいなと思ってた所があって、それで行ってきた感じです。感想は山程あるんですが・・・率直に書くと、イギリス王室系のジュエリーってすごく・・・細密で優雅なのに質実剛健だ!!っていう印象でした。

 ボク的には繊細なアクセサリーが好きなんだけど、王室家系のためのアクセサリーだから、どれも職人仕事がとんでもなく細密で(それこそ宝石用の相当な倍率の片目レンズをはめながらじゃなきゃ作業全くできない)・・・揺るがないプライドをかけた職人仕事なのが伝わってくる。金銀の細工もモザイクも宝石細工も何もかも。すごく小さい中にものすごい加工がされていて、なんていうか貴重な金でも宝石でも絶対に無駄にしないような。

 だからどれも、女性的なものですら、優雅というより、力強いのかなぁと思った。他にも当時の宝飾品の当時のデザイン画や結婚式ウェディングドレス関連や喪に服するモーニング系の衣装や黒いジェッソ系のアクセサリー類や、当時の貴族の家具にティーセットなど色々飾ってありました。(イギリスと関係ないけど、ドイツで戦争期の宝飾品徴収の時に替わりに配った鉄の十字架アクセサリーまであったよ・・・鉄製なのにめちゃくちゃ細かい!!あれはあれで感心したが)

 

 というか女性向け展覧会(八王子夢美は女性スタッフが多いのでいわゆる女性を大事にした展覧会が多い)だからってだけじゃなく、展覧会の内容にすごく「結婚」というものを大事にする姿勢を感じた展覧会でした。

 英国19世紀のヴィクトリア女王は、アルバート公と結婚して9人の子供をもうけ、ロンドン万博を成功させるなど幸福な時もつかの間、若くしてアルバート公が他界、その後20数年間喪に服して、子供たちがヨーロッパ各国の王家と結婚して子をなした事で、ヨーロッパの祖母、と言われる人物です。

 その時代の宝飾類で、たとえばなくなった夫の髪の毛を宝石に封じ込めてそれを木々に見せるようなアクセサリーもあるし、小さなアクセサリーに親族の顔が細密画で描かれているようなものもあって。どれも思いがこもっているというか・・・作っているのはそれぞれ専門の職人なんだけど、その職人がみんな仕事に並々ならぬプライドをもっていて、なおかつ王室を愛していて作っている、ってのが解る。それらを身に着ける人の魂に寄り添える職人の人々じゃなきゃ、作れないよね。日本の場合も同じかもしれないけど。(というか夢美は細密美術が好きなんだよ多分・・・収蔵作品にしても・・・)

 で、その中で展覧会テーマというか、中央のテーマとしてあるのは、やっぱり「結婚」に対する誠実さなんだなぁ、と思ったよね。結婚って夢や憧れや誠実さや喜び悲しみ色々あるけれど、大切にすべきものだ、っていう時代があったんだな、と。そんな事を感じました。

 結婚への誠実さを求める女性たちの夢、とでもいうのかな。そんな感じのテーマ。

 男女双方じゃなきゃ成立しないけどね。

 

 

 展覧会は入場料900円だったんだけど、図録というか、この展覧会コレクションの所有者の方による書籍が出てたので買ってきました(今回にあわせて三版目)。展示物の解説文も巻末に載ってます。で、展覧会記念品で、プリンスオブウェールズの紋章のブローチ(プリンスに仕える人々に渡されていたブローチの復刻版らしい)が出てたので、母へのプレゼントに買ってきました。あげたら喜んでた。

 いや、ブローチには「私は奉仕します」って彫られてるらしくて、買おうかどうしようかホント迷ったんだけどね・・・でも、この奉仕します、って、国王でも王子でも、国民や神様に奉仕する、という気風が英国王室にはあるらしくて。つまり、王子も奉仕するからあなた方も奉仕してください、って意味らしいんだよね。

 で、ウチの母もまぁ現世での信仰は仏教だけど、ボクから見るとそれなりに、ずっと色々奉仕活動もしてた所がある人生なので、遅まきながらこういうのがあってもいいかな、と思ってプレゼントに買いました(笑。つまりよく頑張ってきたよねぇ・・・くらいの意味)。・・・意味の解る人が見たらびっくりするんじゃないかなと展示スタッフの方にいったんだけど、大丈夫じゃないだろうか?って事で。気軽につけられそうだし、シンプルだからどんな服にも合うよね。喜んでた。

 ・・・ほんとにねぇ・・・初回展示の時に行ってれば、10年早くあげられたんだけど!!

 

 ・・・と思っていた矢先の、エリザベス女王の訃報でした。

 今後、エリザベス女王はフィリップ殿下と一緒になかよくされる事でしょう。

 

 「結婚」というものが素晴らしい時代が、あったんだな・・・・・・そう思える展覧会でした。

 もうボクには縁遠いかもしれないけどね ^^;

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